世界は、再び動き始めていた。
遺伝子を組み替え、さらなる進化を求めたコーディネイターと、自然のままに生を謳歌することを選んだナチュラル。
コーディネイターはナチュラルを進化を望まぬ存在とみなし、ナチュラルはコーディネイターを神の領域を犯す存在とみなしていた。
同じ地球という星から派生しながら、お互いを憎悪し、相反する思考を持つ者たち。
極彩色に彩られた混迷の時代。
その混迷の時代に対応するために、それは必要な作戦だった。
「失敗した?」
その報告を聞いて、私は少し落胆していた。
「申し訳ありません」
赤いザ○トの軍服を着た士官が、深く頭を下げる。
ザ○トとはコーディネイターが自らの権利と自由を守るために組織した武力を持つ集団であり、私はその評議会の議長を務めていた。
「作戦は、完全に失敗しました。部隊は全滅し、現在、ラ○ス・ク○インの所在は不明です」
ラ○ス・ク○イン……、コーディネイターでありながら、ナチュラルとの和平を求めた歌姫。
その彼女が持つカリスマ性に危険を感じた私は、極秘裏に彼女の暗殺計画を実行したのだ。 |